本当の三年間 第09話 奇跡の雪と言ったところで、奇跡なんておきやしませんよ

公開日: 2008/03/18

 スキー学習も終わり、バレンタインデーとなった。去年、つまり小6のときに1個も貰えなかったので、この日は期待というか、絶望というか、そんな気持ちで登校していたのを覚えている。
 もはや記憶があやふやだから、間違っているかも知れないけど、この日、俺は奇跡的に当時好きだった人からチョコを貰えた(いや、貰ったことは確実なのだ。問題はその人をその当時好きだったのか、そこがあやふやなのだ)。ただ、それでもやはり俺にとって恋愛は遠い存在だった。付き合うとか、そんなの、リアリティもクソもなかった。

 なのに、それなのに、数日後、俺はその人に告白された。
 奇跡だった。いや、通り越して意味が分からなかった。もう、何が何だか・・・そんな気持ちだった。だから、色々と痛々しい言動with行動もした。とにかく、嬉しかった(こんな言葉で表現するのも何だか嫌なのだが)。
 ここからは、諸事情で割愛させて貰うが、これから11日後、俺はフラれた。あっちから告られて、あっちからフラれた。ショックは凄まじかった。そして、そのショックからか、痛々しさもMAXだった。
 正直な話、フラれた後のことは何も覚えていない。人間、忘れようと思えば忘れられるものだ。いや、忘れざる終えなかった、というべきか。そして実際、何も覚えていない(ただ単に大した事柄がなかっただけという可能性もある)。そして、その埋め合わせ、というか、その為に書いたのが、駄作「+α」なのである(ただし、一応言って置くが、あんな精神状態だったかも知れないが、あんなことまでは考えていなかったと確信している)。
 今、既に中学校を卒業して1年半か過ぎようとしている。手元には卒業アルバムがあり
、その彼女もきっと写っているのだろう。だけど、俺は今だに、そのページを開いたことがない。別に未練とか、そんな大層な思いからではない。ただ、見ている自分が嫌い、それだけなのだと思う。それも、自然に、作為的でなく。だから、卒業アルバムをふと見直すときも、そのページはごく当たり前のように、無意識に飛ばしている。つい最近、あまりの無意識さに自分でビックリした程だ。
 彼女とは、もう二度と逢わないと思う。別に逢いたくないとか、そう言う問題ではなくて、単純に、お互いの人生のベクトルが二度と交わらない気がする。ただそれだけ。根拠はないけど、何故だか確信している。だとしたら、「良い」思い出を残してくれたと、今では感謝している。
 気が付けば、俺も17歳、日本の平均童貞卒業年齢を立派に超えて、たくましく生きている。時折、虚しくなるときがないと言えば嘘になる。それでも、俺は歩もう。その道を。どの道か分からなくとも、進もう。そして、振り返りたくなったときは、笑顔で振り返ろう。そうすれば、何もかも、良い思い出に見えてくるから。そしてきっと、又、前に進みたくなるから。

[第09話、Everlasting only in my mind]