去年、会社で突然、基本情報技術者試験の取得が義務付けられた。
2016年10月、先輩の「こんなの何も対策しなくていい」という言葉を完全に鵜呑みにし、
本当に全く何も対策せず受験した結果、余裕で落ちた。
2017年4月、勉強しようと参考書を買ったものの、業務が忙しくなり結局一回も過去問すら見ないまま受験し、
午前59.5点という芸術的な点数を記録して落ちた。
正直、これ、業務的にも使うのかな?別にどうでもよくね?という感覚だったのだが、上司からかなりキツく叱られ、「受からないと来年の年俸は上げない」とまで言われたので、形振り構わず受かりに走ることにした。
結果として、2017年10月、やや裏道を使いながらも合格したので、そのときのことを徒然と書いていく。
正直、本職のSEやPG、IT関係者なら受かって当然の資格で、それに苦労したなんて自分の無能を証明するようなものなのだけど、まぁ、実際無能だし、いいだろう。
5月17日 不合格発表と金の力で午前免除を決意
前月の試験でまさかの午前不合格、そして上司の叱咤を目の当たりにし、次は流石に受からねばマズイ、という危機感を覚えた。
そして1時間考えて得た結論は「午前試験免除の通信講習を受けよう」であった。
これが前述した「やや裏道」である。
「午前に課題が有るのだから免除にしよう」という理由が主だが、それ以外にもう一つ理由があった。
正直、勉強から離れて久しいこの脳みそでは、午前午後合わせて5時間という試験時間に耐えきれないのだ。
なので、試験当日は午後の150分だけに集中できるようにしてやろう、という魂胆である。
もっとも、誤解なきように予め言っておくと、「午前試験免除の通信講座」はただ受講すればいいというものではない。
最終的にはIPAが作成した、午基本情報技術者午前試験と同難易度、同形式の試験に合格しなくてはならない。
受験機会というチャンスが増えるが、別に簡単になる訳では全くないのだ。
まとめると、午前免除のメリット(デメリット)は以下の通りである。
メリット
- 午前合格の機会が増える
- 免除試験~本試験迄の間、午後試験の対策のみに集中できる
- 本試験日には午後試験のみに集中できる
デメリット
- お金がかかる(27,000円程度)
5月23日 「独習ゼミ」に申し込み
「午前試験免除の通信講座」について、ネットで調べたがどうもどこも大差がないように思えた。
結局、通信系で検索で一番最初に出てきた「独習ゼミ」に申し込むことにした。
通信系にしたのは単純な話で、長野の田舎住みだから通いなどできるわけもないこと、そもそもする気もないことからだ。
費用は27,000円弱。これを高いと見るか安いと見るかは人それぞれだろう。
僕は自分が楽をすることに関してはお金を惜しまないダメ人間なので申し込んだ。
ちなみに、試験結果の発表~午前免除講座の申込期限まではほとんど時間がない。申し込むかは別にして、選択肢に入っているならすぐに調べておくことをお勧めする。
ちなみに午前免除の試験は2回あるのだが、俺は申込みの時期が遅く1回しか受験できないコースになってしまった。
5月26日 受講開始
テキストとe-Learningのログイン情報が届き、早速勉強を開始した。
・・・というのは嘘で、正直7月頃まではテキストを流し読む程度だった。
まず、e-Learningの方式だが、これは以下のようになっていた。
・勉強時間記録
勉強開始前に「勉強開始」ボタンをクリックする
クリック後、1時間立つと自動的に1時間勉強したとカウント、記録される。
合計69時間以上勉強時間を記録すると、免除試験条件①を満たす。
・各章テスト
まず、1~11章の各章テスト(ほぼ全て過去問題)を受ける。
全て合格すると、全章含んだ修了テストを受験することができる。
これに合格することで、免除試験条件②を満たす。
なお、章テストは大体問題数15問程度で、正答率80%以上で合格、
終了テストは50問で正答率75%で合格だった。
また、それぞれの試験には受験回数制限が設けられており、
この回数以上に受験はできない。
なので、ダメ元で無駄に受験することは絶対にしてはならない。
これで過去問題に相当当たれたので、それが良かったかもしれない。
ただ、受け取ったテキストだが、かなり詳しく書いてあり、
正直「とりあえずやってみよう」派の自分にはあまり合わなかった。
結局、下記の市販問題集を眺めてたまに解くのがメインのスタイルであった。
上記免除試験条件①②を期日までにクリアすると
免除試験の案内が送られ、受験可能となる。
平成28-29年度 基本情報技術者 試験によくでる問題集【午前】 (情報処理技術者試験)
7月23日 午前免除修了試験受験
上記の受験資格をクリアすると、試験一週間前あたりに受験案内が届く。
確か神楽坂あたりの受験会場だった。
本試験と同じように9:30~12:00、本試験と同じ形式、難易度の問題を解く。
特に特筆することはない。
ちなみに試験会場は東京と大阪しか選択肢がなかった。
長野からだと朝早いので、前日の夜から東京のカプセルホテルに泊まって備えていた。
東京駅付近だとファーストキャビンホント好き。
7月24日 午前免除修了試験結果発表
さすが民間というべきか、なんと試験翌日にメールで合否通知が来た。
結果、66/80(合格点48点)、100点換算だと単純計算で82.5点と結構余裕で合格できた。
何だかんだ、e-Learningのテストで過去問に触れまくったのが大きいのかなと思う。
8月~10月 午後試験対策
さて、そんな訳で後は午後試験の対策のみに集中できるようになり、気持ち的にかなり楽になった。
そもそも前回も午後は受かっている。
・・・のだが、いざちゃんと勉強すると、自分の理解度の低さに嫌気が差し、逆に不安になっていった。
不安を克服するため、1冊をやり込む方針で勉強した。
具体的には下記の過去問題集を前から順に説いていった。
最終的に全体では1週し、間違えた問題には△、理解不能だった問題には☓をつけ、
2週目は△と☓だけを解く、という風にしていた。
平成28-29年度 基本情報技術者 試験によくでる問題集【午後】 (情報処理技術者試験)
また、プログラミング言語は前回はJavaで受けたが、今回は形振り構わない方針だったので、
SEにあるまじき表計算を選択した。
下記のテキストを買ってはみたが、正直関数の一覧をちらっと見た程度。
それでも本番は全問正解だったので、Excelで帳票とかを作ったこと有る人ならプログラミング経験者でも表計算の方が楽だと思う。
改訂3版 基本情報技術者 らくらく突破 表計算 (情報処理技術者試験)
勉強時間的には正直あんまり。
平日は平均して1問やるかどうか。
休日は図書館に行って5問程度解く、みたいな感じだった。
正直、「図書館が人いっぱいだから今日は勉強できなくても仕方ないね!」という自己弁護をしたことも数え切れない。
10月15日 基本情報技術者試験受験
試験当日、長野の会場に新幹線で受験しに行った。
午後からなので、大分余裕を持って行けるのが嬉しい。
改めて午前免除のメリットを感じた。
ちなみに時間に余裕を持って出発したはずが、なんと開始時間を13:00のはずが13:30と勘違いしており、結果ギリギリの到着となった。
ちゃんと受験票を見直そう(アホ)。
試験は正直、失敗した。
緊張か何かわからんが、なんと必須問題のアルゴリズムを解き忘れていることに試験終了15分前に気が付いた。
めっちゃあわてて読んで、出来る限り回答した。
得点源で重要部分のここを忘れるとか意味わからんが、遅刻で気が動転していたのだと思う。
気をつけよう(アホ)。
11月15日 基本情報技術者試験結果発表
だけど、完全に忘れていた(アホ)。
12月1日 合格発表に気付く
「発表って12月のいつだっけ?」と受験票を見直すとなんと2週間以上前に発表されていたことに気が付く。
確認したところ、無事75点でギリギリ合格していた。
アルゴリズムは慌てたせいでほぼ全滅だったのだが、他の部分でなんとかカバーできた模様。
やっぱり実務経験あっても勉強しないとこの試験受からないわ、と改めて認識。
会社の人はほぼ全員持っている資格なので、これでようやく隠さないでよくなった。
実務には生きないと思うけどな。
色々IT系の問い合わせを受けるけど、
受かる前から「なんで基本情報持っている人に落ちた俺がDNSの説明しなくちゃいけないんだろう」とはよく思ったし。
試験と実務を結び付けられることも、1つの能力なのかしら。